調査・銀行・2026年十月23日
銀行のオーガニック流入が三分の一減:説明できること、できないこと 大手銀行のデータによる調査:七つの仮説とそれぞれの検証、関連レビュー
大手銀行のオーガニック検索からの訪問数が一年で三分の一減少し、ブランドは非ブランドより大きく落ち、コンバージョンは上昇しました。アナリティクスを仮説ごとに確認し、データが裏づけることと、単にデータと矛盾しないことを切り分けました。
- オーガニック、2025年五月1,460
- オーガニック、2026年五月−32%1,000
- ブランド、2025年五月1,020
- ブランド、2026年五月−38%632
- 非ブランド、2025年五月448
- 非ブランド、2026年五月−18%368
大手銀行の社内データ:ウェブ解析、Search Console、Wordstat、順位トラッカー(2026年一月〜五月)。名称・競合・URLは除外しています。値は匿名化しており、絶対値は加工・丸めを行い、相対的な変化は表示した数値から再計算しています。
要点
- 銀行のオーガニック流入は一年で三分の一減少(−32%)し、ブランドが非ブランドより大きく落ちました(−38%対−18%)。一月から五月にかけてコンバージョンは0.61%から0.71%に上昇しましたが、オーガニック経由のリード数は依然として15%減少しています。
- 七つの仮説のうち、一つはデータで否定され、三つは部分的に裏づけられ、二つはデータと整合的ですが直接は測定されておらず、一つは検証されていません。元のアナリティクスの「確認済み」というラベルは「データと矛盾しない」という意味であり、「原因が証明された」という意味ではありません。
- 方法論上の主な発見:一つのレポートに、三つの異なる「オーガニック」の基準(五月で708千、590千、1.00百万)があります。基準内のパーセンテージは比較できますが、基準をまたぐ合計は比較できません。原因を探す前に、まず基準を突き合わせてください。
何が起きたか:四つの数値と一つの傾向
2025年五月と2026年五月を比較します。「サイト全体の流入」は元データのまま採用しています。その内訳は元データに説明がなく、チャネル別サマリー(有料とダイレクトがそれぞれこの合計を上回っています)とは比較できません。オーガニックとは検索エンジンからの訪問を指します。
| 指標 | 2025年五月 | 2026年五月 | 変化 |
|---|---|---|---|
| サイト全体の流入 | 1.85百万 | 1.14百万 | −38% |
| オーガニック | 1.46百万 | 1.00百万 | −32% |
| ブランド(オーガニック内) | 1.02百万 | 632千 | −38% |
| 非ブランド(オーガニック内) | 448千 | 368千 | −18% |
非ブランドの比率は31%から37%に上昇しましたが、これは非ブランドが伸びたからではなく、ブランドがより速く減ったためです。五カ月分のデータでは、オーガニックに占めるトピック系の比率も二月以降低下しています。
- 一月966
- 二月871
- 三月920
- 四月844
- 五月四月比−16%708
月次サマリーでは、五月の大型連休より前から減少が見られます。一月から四月までに、チャネル別サマリーのオーガニックは13%減少(966 → 844千)し、五月にさらに16%減少しました。留意点:一月は休暇期間を含み、十二月のデータはなく、三月は二月を上回っています。連休は五月内の落ち込みを説明しますが、傾向全体は説明しません。季節性のレビューを参照してください。
品質指標は上昇しましたが、これはトラフィックの構成の影響や計測方法の変更による可能性があります。オーガニックの直帰率は17.3%から12.8%に低下し、一訪問あたりのページ数は2.25から2.86に増え、申込み完了へのコンバージョンは0.61%から0.71%に上昇しました(一月 → 五月)。しかし、有効なリードは月5,920件から5,050件へと15%減少しました。コンバージョンの上昇は、成約しにくい訪問が失われたと考えれば算術的に整合します(証明はされていません)。また、四月の直帰率の急変は、計測方法の変更の可能性として確認する必要があります。詳細はコンバージョンとボリュームのレビューを参照してください。
七つの仮説:データが実際に示していること
元のアナリティクスは各仮説にラベルを付けていました。ここではそのラベルを残したうえで、何が測定されていて、何が単に仮説と矛盾しないだけなのかについて、当方の評価を加えました。
| 仮説 | アナリティクス上のラベル | 当方の評価 | レビュー |
|---|---|---|---|
| 検索需要の減少 | 確認済み | 部分的:預金では需要が流入より大きく減少し、デビットカードでは流入が需要より大きく減少 | 需要と流入 |
| 検索結果内のAI回答 | 確認済み | 整合的:表示は維持され訪問は減少しているが、クエリ単位のクリックデータはない | AI回答と定義ページ |
| チャットボットへの移行 | 確認済み(間接的) | 未検証:アシスタントからの訪問は計測されていない | チャットボット |
| 局所的な可視性の低下 | 一部確認済み | 部分的:一部のセクションでは低下、他では増加 | セクション |
| 有料広告によるカニバリゼーション | 否定 | 「流入が広告に移った」という形では否定:有料も同じ割合で減少 | 有料とダイレクト |
| 古くなったコンテンツ | 確認済み | 整合的:減少したページの最終更新は8〜19か月前だが、対照群はない | 古いページ |
| 季節性 | 一部確認済み | 部分的:連休は四月 → 五月を説明するが、減少はそれ以前に始まっている | 連休とカレンダー |
ここでは四つのラベルを使います。「否定」(データが矛盾する)、「部分的」(効果の一部が測定されている)、「整合的」(状況は合うが原因は測定されていない)、「未検証」(測定がない)です。予算判断では後の二つが最も重要です。効果のないことに費用が使われるのは、まさにそこだからです。
まず基準:一つのレポートに三つの異なる「オーガニック」の数値
元のアナリティクスは、2026年五月のオーガニック流入を三つの異なる数値で示しています。元データではサンプルが開示されていないため、これらの数値を足したり互いに比較したりすることはできません。
| レポート内の位置 | 示している内容 | 2026年五月 |
|---|---|---|
| チャネル別サマリー(ウェブ解析) | 検索エンジンからの訪問 | 708千 |
| 二つの検索エンジン別の分割:ブランド+トピック系 | YandexとGoogleにおけるブランドとトピック系の合計 | 590千 |
| ブランド/非ブランドの前年比 | 五月対五月の比較における「オーガニック」 | 1.00百万 |
考えられる説明の一つ:訪問の一部(約六分の一)がブランドにもトピック系にも入らず、二つの検索エンジンを通じてこれらの切り口が訪問の約84%しかカバーしていない可能性があります。元データには記載がないため原因は断定せず、一つ目と三つ目の数値の間に1.4倍の差があることだけを記録します。
実務上のルール:すべての数値について、データソース、フィルタ、期間、デバイスという基準を書き留めてください。同じ事柄について二つの数値が食い違うときは、まず基準を突き合わせ、そのあとでサイトや検索の側に原因を探します。サイトのセクションでも同じことが起きており、その合計はチャネル別サマリーと一致しませんでした。セクション分解を参照してください。また、結論が成長しているセグメントに依存していないかも確認してください:部分集合の罠。
世界で分かっていること、そして証明していないこと
Googleの検索結果にAIブロックがあると、通常のリンクのクリック比率が下がることを示す外部の調査が二つあります。いずれも別の市場・別のテーマを対象としており、どちらも一つの銀行の減少の原因を証明するものではありません。
| 出典 | 測定対象 | 結果 | 留意点 |
|---|---|---|---|
| Pew Research Center、2025年 | 2025年三月の米国成人900人のブラウジング、Googleのみ | 通常リンクのクリックは、AI要約ありの訪問で8%、なしで15% | 追跡パネル、米国、金融テーマではない |
| Ahrefs、2026年更新 | 300千キーワード、Search Console、2023年十二月と2025年十二月 | AI Overviewがある場合、一位のCTR(デスクトップ)が58%低い | 相関であり、基準値は観測値ではなく予測 |
銀行にとっての結論は慎重なものです。効果の方向は裏づけられていますが、自社サイトでの大きさは裏づけられていません。自社のクエリで測定する必要があります。方法はこちら。競合に関する第三者の推計にも同じ慎重さが必要です:第三者のベンチマークの読み方。
減少はすでに説明できるか:六つの質問
自社サイトについて「はい」「いいえ」「わからない」で答えてください。これは原因ではなく、診断の準備ができているかを確かめるものです。答えがすべて「はい」になるまでは、どんな原因も推測にとどまります。
- 前年同月を比較し、連休や曜日のずれを考慮していますか?カレンダー
- ブランドと非ブランドを、固定された一つのブランドクエリのリストで分けていますか?クエリセット
- 流入を同じクエリの需要(Wordstat、Trends)と照合していますか?需要
- Search Consoleのインプレッションと検索順位を、クリックとは別に確認していますか?検索結果ページ
- 有料とダイレクトのチャネルでも同じ動きがないか確認しましたか?隣接チャネル
- すべての数値について、ソース、フィルタ、デバイス、期間という基準を記録していますか?基準の突き合わせ
この調査独自の運用上の尺度であり、業界標準ではありません。「わからない」と答えた項目が一つでもある場合、ページには判定を出さず「抜けがあります」と表示されます。
オーガニックが減少したときの出発点
- 基準のセクションのように、すべての数値の基準を書き留め、食い違いを突き合わせます。まずセクション分解から始めてください。
- ブランドと非ブランドを分け、両方の線を需要と流入と照らし合わせます。検索エンジン同士の比較は、クエリ構成を踏まえて行ってください(GoogleとYandex)。
- カレンダーやイベントの影響を、構造的な減少から切り分けます:連休、期限に連動したページ。
- 定義ページや解説ページでは、他者の調査に頼らず、自社のクエリでAIブロックの影響を測定します(AI回答と定義ページ)。インプレッションが減り検索順位が上がっている状況は別に確認します(インプレッションと検索順位)。
- ページの更新は、カレンダーではなく事実が変わったときに行います(古いページ、タイトルに年が入ったページ)。
- そのうえで初めて、作業計画と、その効果をどう確認するかを計画します(計画)。
よくある質問
流入が減ったのに、なぜコンバージョンは上昇したのですか?
失われた訪問の価値が低かった可能性があります。失われたリードは、失われた100訪問あたり約0.34件で、一月のコンバージョン0.61%と比べた値でした(二つの差の比であり、離脱した訪問のコンバージョンそのものではありません。証明ではなく、ゴール計測の変更の可能性もあります)。それでもリード数は15%減少しました。詳細はコンバージョンとボリュームのレビューを参照してください。
この調査を自社サイトの判断に使えますか?
いいえ。これは一サイトのデータです。確認の手順と質問のリストは転用できますが、数値や原因ごとの割合は転用できません。
なぜ銀行名、競合、リンクがないのですか?
データは匿名化されており、絶対値は加工・丸めを行い、相対的な変化は表示した数値から再計算しているため、元のアナリティクスとは1パーセントポイントずれることがあります。他行の値はさらに大きく加工しているため、そのパーセンテージは例示です。
AIブロックについて世界では何が分かっていますか?
PewとAhrefsは、GoogleにAI要約が表示されるとクリックが減ることを示していますが、どちらも銀行やこの市場に関するものではなく、Ahrefsは相関を報告しているにすぎません。自社サイトでの大きさは、自社のデータで測定する必要があります。
出典と方法
- Pew Research Center: Google users are less likely to click on links when an AI summary appears — AI要約ありとなしでのクリック、米国、2025年三月
- Ahrefs: AI Overviews reduce clicks (update) — 一位のCTR、相関、300千キーワード
- Search Console Help: impressions, position and clicks — クリックと検索順位の集計方法
- 大手銀行の社内データ:ウェブ解析、Search Console、Wordstat、順位トラッカー(2026年一月〜五月)
方法:大手銀行一行の2026年一月〜五月のデータ(五月対五月、および四月対五月の比較)。値は匿名化しており、絶対値は加工・丸めを行い、相対的な変化は表示した数値から再計算しています。他行の値はさらに大きく加工しているため、そのパーセンテージは例示です。「整合的/部分的/未検証」の評価は当方によるもので、「確認済み」のラベルは元のアナリティクスによるものです。データはシステム内で再確認していません。2026年十月23日時点。