顧客は、3つの都市でトレーニングジム、グループレッスン、プールを運営するフィットネスクラブチェーンです。販売はフロントに依存していました。サイトに表示されるのは「〜から」の価格だけで、体験レッスンは確認なしのフォームで予約する方式。予約者の約40%が来店せず、スタッフは全員に電話する時間もありませんでした。会員プランの全料金はどこにも公開されず、マネージャーは「価格表を見せる」ことを恐れていました。その間に顧客は料金を明示する競合へ流れていました。フロントで「中身の分からない買い物」はしたくなく、事前にオンラインで決めたい顧客層を、チェーンは丸ごと取りこぼしていました。
会員プランの本格的なオンライン販売チャネルを構築すること。最終価格が分かるカタログ、数クリックで完了する購入・決済・契約、実際に来店する体験レッスンの予約、自動フォローアップを整備します。9店舗それぞれ異なる料金体系を一元管理することが条件
でした。
「検討中」から「毎週火曜と木曜に通っている」までのファネルを設計し、各段階で、これまで顧客に決断を先延ばしさせていた要因を一つずつ取り除きました。
- 会員の動線を整理しました。受付スタッフとトレーナーへの聞き取り、電話と予約の分析から、価格の不透明さ、未確認の予約、「見学後に連絡が途絶える顧客」という3つの主な離脱点を特定しました。
- 透明な会員プランのカタログを作成しました。9店舗すべての最終価格を掲載し、違いを説明。都市、期間、利用時間帯に応じて料金を計算し、注釈や「担当者にお問い合わせください」はなくしました。
- 購入を数ステップに簡素化しました。プラン選択、カード決済、電子契約、入館用の個人QRコード発行まで、フロントに来たり、書類を記入したりする必要はありません。
- 体験レッスンの予約を再設計しました。空き状況に応じて店舗、日付、プログラムを選べ、すぐに確定。前日と2時間前にメッセンジャーでリマインドし、無断欠席は3分の1に減りました。
- 自動フォローアップを設定しました。価格を見たものの購入していない人に、よくある懸念への回答、会員の体験談、期間限定の初月オファーを含むメッセージを送ります。
- 会員マイページを構築しました。プランの休会と更新、グループレッスン予約、友人への割引紹介など、以前は受付への電話が必要だった手続きをオンライン化しました。
- 店舗別・流入元別のファネル分析を有効にしました。チェーンとして初めて、単なる訪問数ではなく、どの店舗とチャネルが会員を獲得しているかが分かるようになりました。
最大の変化は、フロントが販売のボトルネックではなくなったことです。スタッフは契約手続きに30分かけたり、無断欠席者に電話したりする必要がなくなりました。リマインドはシステムが送り、フロントに来るのは入会を決めた人だけです。トレーナーには顧客の目標が記録された予約が届き、体験レッスンは「見学」から個別指導へ変わりました。これが転換率を31%から52%へ高めました。長年マネージャーが公開を恐れていた透明な価格は、むしろ販売を伸ばしました。最終価格を見た顧客は自分で決断でき、フロントで最後に強く勧める必要がなくなりました。
経済効果は明快です。会員プランの38%が、受付スタッフの時間を使わず、受付の「販売用」スペースも必要とせずに売れるようになりました。無断欠席の減少でトレーナーの枠が空き、来ない「幽霊会員」に占められていた時間帯を新たに追加できました。マイページはすぐに継続利用のチャネルになりました。2クリックで休会や更新ができるため、会員の意欲が落ちやすい時期の退会リスクを抑えます。さらに、チェーンはファネル転換率で店舗を比較し、都市を越えて最良の方法を展開できるようになりました。
| 指標 | 結果 |
|---|---|
| オンライン購入された新規会員プラン | 0% → 38% |
| 体験レッスンから購入への転換率 | 31% → 52% |
| 体験レッスンの無断欠席率 | ≈40% → 12% |
| マイページでの更新 | 機能なし → 3回に1回の更新がオンライン |
指標はケースの原資料から転記しています。期間は出典に記録がある場合に記載しています。
- の新規会員プランをオンライン購入
- 38%
- 体験レッスン → 購入(導入前31%)
- 52%
- 体験レッスンの無断欠席率(導入前約40%)
- 12%
- オンライン手続き(以前は30〜40分)
- 5分
- 01サイト訪問
- 02カタログ
- 03計算機
- 04決済
- 05契約とQRクラブ入館用
- 01予約
- 02確定
- 03リマインド1日前
- 04リマインド2時間前
- 05来店
チェーンのオンライン施策で次に取り組む領域:
- QR入館、休会、個別プログラムに対応するモバイルアプリ。会員マイページの機能を拡張します。
- 法人向けB2B販売。従業員向けプランと人事専用アカウントを用意します。
- AEOでの露出。「フィットネスクラブの選び方」などへの構造化回答を整え、AIアシスタントがチェーンを正確に紹介できるようにします。
10年間、価格を見せるのが怖かったんです。公開した途端に販売が伸び、「いくらですか」という電話はなくなりました。お客様は会員プランをスマートフォンに入れて来店します。
— フィットネスクラブチェーンの営業責任者